【矢板明夫の目】天津大爆発から1カ月 担当者は自殺 中国当局の危機管理能力の欠如を露呈(3/3ページ) - 産経ニュース

メインコンテンツ

矢板明夫の目

天津大爆発から1カ月 担当者は自殺 中国当局の危機管理能力の欠如を露呈

 爆発後、問題の倉庫を所有する会社の幹部と天津市幹部約20人の身柄が拘束された。法令で禁止されている住宅地から1キロ未満の位置にある危険物倉庫の建設許可をめぐり、不正があったかどうかについて調べられているもようだ。

許認可担当者が「自殺」

 共産党幹部の間では、倉庫を所有する企業の背後には地元出身の大物政治家、李瑞環(りずいかん)氏(80)=元党政治局常務委員、元全国政治協商会議主席=の親族がいるといわれているが、責任追及は李氏まで及ばないと見る党関係者が多い。

 行政側の管理、監督責任を問う声はインターネットなどで多く寄せられた。天津市長兼党委書記の黄興国(こうこうこく)氏(60)は爆発後の記者会見で「私は今回の事故に対し逃れられない責任がある」と述べ、一時、責任を取って辞任するという噂が流された。しかし、しばらくして、その話は立ち消えとなった。

 黄氏は習近平国家主席(62)が浙江省勤務時代の部下で、習主席が信頼できる数少ない側近の中の一人だ。爆発の責任を取って辞めると、政治的に再起は難しいため、習主席が黄氏を守った可能性が大きい。

 8月26日、倉庫建設の許認可に関わったとされる天津市交通運輸委員会の担当課長が、ビルから飛び降りて死亡した。警察は自殺と発表したが、地元では責任をすべて押しつけられたうえ、口封じのため殺害されたとささやかれている。(中国総局 やいた・あきお)