【矢板明夫の目】天津大爆発から1カ月 担当者は自殺 中国当局の危機管理能力の欠如を露呈(2/3ページ) - 産経ニュース

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矢板明夫の目

天津大爆発から1カ月 担当者は自殺 中国当局の危機管理能力の欠如を露呈

 この件を取材した中国人記者によると、爆発が起きた倉庫は天津市内にあるが、それを実際に管理しているのが交通運輸省の傘下にある天津港務局だ。また、現場に入って救援を担当するのは北京軍区であるため、連携が悪く、意思疎通ができていない。責任を押しつけあう場面も多く、現場は大変混乱しているという。

責任曖昧なまま損害賠償

 中国当局が最も神経をとがらせているのは、自宅が壊れた住民への損害賠償問題だ。爆発が起きた場所は高級住宅地に近く、全半壊した住居は約6000戸前後といわれる。彼らは、今回の爆発はすべて政府の責任だと主張し、マンションの買い取りを政府に要求。爆発以降、連日のように対策本部が設けられている天津市内のホテル周辺で、抗議活動を続けている。

 当局は当初、マンションの買い取りを拒否し、見舞金を支払う形で解決を図ろうとしたが、交渉が難航した。その後、住宅を建てた開発業者にマンションを回収してもらう案も浮上したが、これも実現しなかった。9月になってから、ようやく爆発が起きた場所周辺の建物をすべて政府が買い取り、取り壊してから記念公園にする方針を固めた。しかし、責任を曖昧にしたまま巨額な税金が使われることに対し、インターネットなどで多くの反対意見が寄せられた。

 また、火の気がないはずの危険物倉庫で火事はなぜ起きたのか。爆発の原因究明はまだ進んでいない。一部香港紙は、共産党内の権力闘争に絡み、テロを含む「人為的な原因の可能性もある」と伝えているが、具体的な証拠はない。