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輝く女性は上から目線!? ドラマ「エイジハラスメント」最終回にネット騒然、「安倍批判か」の声も

女性登用には、意識改革と時間が必要

 首相官邸HPによると、管理職に占める女性比率が、6.9%(平成24年6月)から8.3%(26年6月)に増加したとある。昨今の風潮を鑑(かんが)みれば、女性登用は各企業のPRポイントの1つともいえるが、女性管理職の「数字を増やす」ことに邁進(まいしん)するあまり、現場でのゆがみは生まれないのだろうか。

 総務省の「労働力調査(基本集計)」(26年平均)を見ると、全国の労働力人口のうち、女性は43%。しかし、女性労働者の半数以上がパート・アルバイト、派遣社員などの非正規雇用者となっている。安倍政権が目途としている32年までに30%の女性管理職を登用しなければならないということになれば、ドラマのように「女だから抜擢した」ということになりかねないのでは…。

 「女性を登用したいが、いざどうすれば…と悩む経営者の方は多いですね」。企業内の女性活躍推進コンサルティング事業「ナチュラルリンク」代表の高野美菜子さんはこう話す。

 「現場の管理職の方は、女性社員に遠慮してうまく指導できない。一方、女性にばかり『変わる』ことを押し付ける-という女性社員側の声も聞きます」

 経営者や男性管理職だけでなく、女性社員にも戸惑いがあることがうかがえる。経営陣が女性登用を進めようとしても、現場ではそう簡単に順応できないのが現況のようだ。

 「まずは、意識を変えていくことが大事です。男だから女だからという固定概念を捨て、性差で判断せず、個々の能力や性質を見て接する。仕事で出した成果を正当に評価し、働き方を変える。自分たちで会社(社会)を変えるのだという気持ちが必要です」

 「輝く女性」「女性登用」もいいが、お題目のための施策ではなく、真に働く男女のための施策にしなければならない-。このドラマのおかげで、意識を新たにさせられた。   (杉山みどり)

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