湯浅博の世界読解

中国が民主党など日本国内の安保反対勢力に期待するのはなぜか

だから中国は、一定の距離でつかず離れずの「不即不離」を貫いた。安倍政権を批判はするが、やりすぎて反対勢力の支援者と思われては逆効果になってしまうからだ。

安保法制に反対した民主党の岡田克也代表が「私たちの後ろには1億人がいる」との大衆幻想を述べたことは、多少は心強かったに違いない。民意なるものを動かし、あるいは、国会をその民意なるものの下請けにしてしまえば、抑止力の不十分な、やわな日本のままにできる。

こうした大国の思惑はどうあれ、議会制民主主義とは一時的な大衆行動に動かされない冷静な頭脳と行動が代議制の議員たちに期待される。それを、安保法制は「戦争法案」で、法律になると「徴兵制」になるとのデマゴギーは、当の議員たちの頭脳を思考停止にする。

民主党の鳩山由紀夫政権の時代にも、かの国を喜ばす政治行動があった。夢のような東アジア共同体構想を掲げ、中国に協調するよう訴えた。このときも、リアリズムの中国は「不即不離」で、そうやすやすとは乗らなかった。

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