福島第1原発

廃炉へのミッション・インポッシブル 「原子炉内のデブリを探せ!」

 東電は現場の除染を進めた上で、遮蔽体を設置して作業員の被曝リスクを低減する計画だが、線量が思うように下がらなければ、燃料取り出しの開始時期はずれこむ可能性がある。

 1号機では、がれき撤去に向けた建屋カバーの解体作業が7月から始まった。すでに屋根の3分の1が取り外されたが、カバー解体後も除染やがれき撤去などの作業があり、燃料取り出しは5年後の予定だ。

ロボット頼みの捜索だが…

 さらに困難を極めるのが、1~3号機の格納容器の底にたまっているとみられるデブリの取り出しだ。現状ではどこに、どれくらいあるかも分かっていない。

 規制委の田中俊一委員長は「デブリが今すぐ大きなリスクになるとは考えていない。ある意味ステイブル(安定している状態)で、長期的課題だ」と説明するが、強い放射線を放つデブリを取り除かなければ、最終的な廃炉が実現しないことも確かだ。

 世界初の取り出し作業に向けて、ロボットなどの先端技術を使った調査が本格化しているが、炉内の過酷な環境が高い壁となっている。

 1号機では今年3月、宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線から生じる「ミュー粒子」を使った調査で、原子炉内の燃料がほとんど溶け落ちていることが分かった。

 4月には格納容器内に初めてロボットを投入して詳細調査を試みたが、走行開始からわずか3時間で床の段差にひっかかり、停止した。

 その後、別のロボで再調査したが、最高で毎時9・7シーベルトという高い放射線の影響で監視カメラが故障。2台ともデブリの位置をとらえることのないまま回収不能となった。

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