福島第1原発

廃炉へのミッション・インポッシブル 「原子炉内のデブリを探せ!」

 ただ、4月末から始まった凍土壁の試験運用では、全1551本の凍結管のうち、山側の58本で凍結を始めたものの、止水の効果については実証できていない。凍結で地下水位が急激に低下した場合、建屋内の汚染水が逆に外に漏れ出すリスクも指摘されている。

 福島第1原発の小野明所長は「凍土壁は、汚染水対策で非常に重要な手段の一つ。データをとりながら、効果を見ていく」と強調しているが、今後の本格運用では、その真価が試されることになる。

高線量の過酷な現場

 「次の災害を起こすリスクがまだ残っている燃料の取り出しこそ、急ぎたい」「リスク低減の観点では、最も重要だ」

 廃炉・汚染水対策について検証する原子力規制委員会の「特定原子力施設監視・評価検討会」の場で、規制委の更田(ふけた)豊志委員長代理は繰り返し、こう強調してきた。

 東電は昨年12月、水素爆発による損傷の少なかった4号機の燃料貯蔵プールからの、燃料全1533体の取り出しに成功している。だが、損傷の激しかった原子炉では、状況は全く異なる。

 平成29年度の燃料取り出し開始を目指す3号機では、最大の懸念材料だったプール内の大型がれき(重さ約20トン)の撤去が先月2日に完了した。だが、その後の調査で燃料計566体のうち、4体で燃料をつかむハンドル部分が変形していることが分かった。東電は、取り出し方法について検討を進めている。

 最高で毎時220ミリシーベルトという高線量の過酷な現場も問題だ。これまでのがれき撤去は遠隔操作で行ってきたが、燃料取り出し用の装置を設置する作業では、人が入る必要がある。

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