関西の議論

タガメ、ゲンゴロウが消えた…琵琶湖博物館で人気の水生昆虫、自然環境の悪化・繁殖の難しさで絶滅危機

 開館時、県内ではタガメやゲンゴロウの生息数は減少し、なかなか目にする機会はなかった。池や沼の減少、農薬による水質汚濁、外灯の増加などで激減したとみられ、現在は両種とも環境省のレッドリストで絶滅の危険が増大している「絶滅危惧II類」に分類される。

 水生昆虫の飼育・繁殖を開館以来担当する桑原雅之・総括学芸員は「地元で個体を捕獲できず、他の水族館から成虫のつがい1組と卵を譲り受け、繁殖させてきた」と振り返る。

 しかし、タガメもゲンゴロウも近親間の交配が難しく、少ない個体数では長くて5年で繁殖できなくなってしまうという。

繁殖・飼育の難しさ

 「なんとか自前でタガメやゲンゴロウの数を増やしたい」

 桑原さんはそんな思いで研究を続け、天然のゲンゴロウが多い北海道の個体を使って、継続的な繁殖も試みた。しかし気候の違いからか繁殖に失敗。九州など暖かい地域に多いタガメでも、同様の結果に終わった。

 またタガメもゲンゴロウも頻繁に幼虫同士が共食いするため、1匹ずつ管理しなければならず、魚類などに比べ飼育の苦労も多かった。

 繁殖・飼育の苦労は他の施設でも同様で、三重県鳥羽市の鳥羽水族館では、ゲンゴロウの常設展示を3年前に止めた。上岡岳学芸員は「タガメが繁殖している池の環境を良好に保つ努力をしており、何とか展示を続けてきたが、十分な個体が生息しているわけではなく断念した」と話す。

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