高崎市は、衛星利用測位システム(GPS)機器の無償貸与や、救援活動などを市が取り組む徘徊(はいかい)高齢者早期発見システムを10月にスタートさせると発表した。同時に高崎署とも協力し、位置情報を提供することで遠方での迅速な保護も可能とする。市介護保険課では「機器の貸与に止まる自治体が多く、警察との協定も含め全国初の取り組みになる」と話している。(椎名高志)
「はいかい高齢者救援システム」と名付けられた制度は、市内に在住している65歳以上の徘徊行動が見られるお年寄りを介護している家族や介護事業者を対象に、GPS機器を無償で貸与する。対象条件として介護認定の有無は問わない。家族らは事前に同市問屋町の「高齢者あんしん見守りセンター」に登録、お年寄りが行方不明になった場合に家族らからの位置情報提供依頼に応じ位置情報を探知、メールで知らせる。
お年寄りの捜索・保護では、家族らが困難な場合は同センターの職員らのほか、警察官が行うケースもある。10日に同市と高崎署で「認知症高齢者の徘徊対策に関する協定書」を締結した。