昨年、日本を訪れた外国人観光客は約1341万人と過去最高を記録し、今年上半期(1~6月)も前年同期比46%増の914万人に達している。中国、台湾などアジア圏を中心に、日本観光の人気は上昇している。消費動向をみても、電器製品や化粧品などの「爆買い」に象徴されるように、やはり中国人観光客の買い物代は突出している。ところが、米大手旅行雑誌「トラベル+レジャー」の世界人気観光都市ランキングで2年連続トップとなった京都市では、中国人観光客の消費動向に不思議な逆転現象がうかがえる。国内全体でみると、1人あたりの旅行支出額では、中国人観光客は台湾人観光客よりも倍近い金額に上るにもかかわらず、京都市では中国人の支出額が台湾人の約3分の1にとどまっているのだ。また、宿泊施設の選択では、台湾人に比べて中国人は日本式の旅館よりもホテルで宿泊する傾向が格段に強い。なぜ、こんな現象が起きているのか。(塩山敏之)
全国では「中国>台湾」
政府観光局の調査では、昨年、日本を訪れた中国人観光客は約241万人で、台湾人観光客は約283万人。1人あたりの旅行支出額は中国人が約23万2千円で最も多く、台湾人は約12万5千円と約半分だ。
支出別では、中国人は買い物代に約12万7千円使っており、台湾人(約4万6500円)を大きく上回っている。中国人観光客の「爆買い」は数字の上でも裏付けられている。
一方で、古都・京都では少し事情が違ってくる。