ビジネス解読

韓国の鉄道乗客の恐るべきモラルの崩壊 不正乗車は5年で130万件超、コバンザメ、高齢者偽装-と手口さまざま

 李議員がこう述べるように、昨年摘発された30万件超の事案に対する罰金はわずか14億8800万ウォン(約1億5000万円)と実際の被害額のほぼ半分にとどまる。韓国の鉄道事業法では、不正乗車区間の運賃の最大10倍を罰金として課すことができると定めているが、実際には9割近くが不正乗車区間運賃の半額程度の罰金という軽い処分にとどまっているためだ。摘発を免れた不正利用者による被害額を加えれば、鉄道事業に与える影響は小さくない。李議員は「鉄道公社の収益悪化につながる」と批判し、早期の不正撲滅を訴えた。

ゲート飛び越えの荒技も

 ただ、1日当たり平均840件の不正乗車が摘発される韓国の現状をみると、鉄道利用者のモラル崩壊が慢性化し、「周りの人がやっているから…」と不正に手を染める市民が増加する悪循環に陥っているのは明らかだ。

 不正乗車問題を取り上げた韓国のテレビニュースは、さまざまな手口を赤裸々に報じた。代表的なのは、自動改札を通る人の後ろにピッタリとくっつき、センサーが作動しないうちに改札を通り抜ける「コバンザメ型」だ。乗降客が込み合うラッシュ時などは特に多い。改札を飛び越えたり、閉じたゲートを無理やりこじ開けて通る「強行型」も少なくない。

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