石下紫峰高、水害に負けず笑顔の勝利 秋季高校野球茨城県西地区予選

 鬼怒川の堤防決壊で水害に見舞われた常総市の県立石下紫峰高(同市新石下)の野球部が19日、秋季関東地区高校野球県大会の県西地区1回戦に県立岩井高(坂東市岩井)との合同チームで出場した。総和工高グラウンド(古河市葛生)で行われた県立八千代高(八千代町平塚)との試合は13-1でコールド勝ち。水害に負けずに白球を追った結果だった。(海老原由紀)

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 石下紫峰高は鬼怒川の決壊地点の北東約1・5キロに校舎があり、濁流は学校敷地に流れ込んだ。発生の10日、教員らが急いでヘルメットやバット、グラブなどを体育館2階に運んだため難を逃れたが、グラウンドや用具倉庫は冠水。

 全部員6人の自宅が浸水被害に遭い、親族の家などに避難したという。県西地区予選の開催は水害で約1週間遅れた。江連(えづれ)昌治監督(42)は前日の18日、部員を前にこうげきを飛ばした。

 「しゅんとしてみっともない試合はするな! 試合する以上、勝ちを目指すことだけは忘れないように」

 精いっぱいの叱咤(しった)激励だった。

 選手一人一人が声を出し、息の合ったプレーを見せた。そしてつかんだ勝利。2年の山中我生(がい)主将(16)は「1週間も練習していなかったから、こんな結果が出るとは思わなかった。次も勝って県大会に行きたい」と笑顔を見せる。

 濁流が越水した若宮戸地区の近くに住む1年の中山幹也選手(15)は「もしかしたら大会を棄権することになるかも」と心配していただけに、全員で無事にプレーすることができて「楽しい。テンションが上がる」と素直に喜んだ。

 江連監督は「出来すぎ」としながらも、自宅の掃除で疲れた様子だった部員たちを見て、「元気を出してくれてよかった」と目を細めた。

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 ▽県西地区1回戦

 (砂沼球場ほか)

 結城一     10-9  真壁・坂東総合

 下館工     14-0  三和

 (五回コールド)

 岩瀬日大     7-1  つくば工科

 下館一     10-0  古河二

 (五回コールド)

 境        7-0  明野

 (八回コールド)

 石下紫峰・岩井 13-1  八千代

 (六回コールド)

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