世界ジオパークネットワーク(GGN)は19日、世界的に貴重な地形や地質が残る自然公園「世界ジオパーク」にアポイ岳(北海道)を認定する一方、「伊豆半島ジオパーク」を不認定とした。鳥取県で開催中のジオパーク国際シンポジウムの席上で発表した。結果を受けて、パブリックビューイング(PV)の会場となった大仁市民会館(伊豆の国市)には落胆の声が広がった。
伊豆半島ジオパークは、県東部の15市町、114カ所のジオサイト(見どころ)で構成。本州で唯一、フィリピン海プレート上に位置する伊豆半島は、火山島や海底火山が本州に衝突して誕生したとされ、現在も火山活動や地殻変動が続き、変化に富んだ地形が最大の特徴となっている。
この日、大仁市民会館には、世界認定を待ち望む市民や関係首長ら400人が集結し、ステージ上に設置された大型スクリーンで結果発表を見守った。しかし、午後7時ごろに行われたGGNの発表に「伊豆半島」は含まれず、落選が決まると、会場からはため息が漏れた。伊豆半島ジオパーク推進協議会の会長代行、菊地豊伊豆市長は「伊豆半島のポテンシャルはこんなものじゃないはず。認定に向けてまた1年間頑張ろう」と市民らに呼び掛けた。
同協議会によれば、不認定には一部の評価項目が不十分の「保留」と、根本的に評価されない「見送り」の2種類があり、いずれであったかが判明するまでには数週間から数カ月かかるのだという。
同協議会は、伊豆半島の地質学的な価値を世界に広めようと、平成23年に地元自治体が設立。同24年9月に日本ジオパークネットワークに加盟すると、同26年に世界推薦が決定した。今年6月にGGNによる現地審査が3日間の日程で行われた。