ラグビーW杯

日本代表、W杯で外国出身選手が3割を超える選考事情とは…

 ただ、少なくない数の国民が違和感を抱いているのは確かだ。選手個々のバックグラウンドは広く知られておらず、外国出身選手が目立つ代表に国民が思い入れを持てない理由は偏狭なナショナリズムで片付けられるものではない。大相撲で日本人横綱の誕生が待ち望まれているのと同じく自然にわき出る感情であり、代表が熱烈な支持を得られない理由の一つではないだろうか。

 一方、かつては国内有数の人気を誇ったラグビー界の閉塞感は、W杯での惨敗に端を発している。中でも1995年大会でNZに17-145、2007年大会で豪州に3-91、11年大会でNZに7-83と完膚なきまでにたたきのめされた影響は大きく、外国出身選手の力を借りてでも最強のチーム編成でW杯に臨む必要性もある。

 救いは日本のラグビーが着実に成長している点だ。世界トップクラスの外国人選手が数多くTLに参戦することで国内のレベルは上がり、もまれた日本人選手が次々に海外へ飛び出した。代表の主力を担う田中史朗や堀江翔太(ともにパナソニック)ら6人の国産選手は、世界最高峰リーグの「スーパーラグビー」に挑戦して代表にも名を連ねた。ジョーンズHCも認める理想と現実との折り合いを付けながら日本ラグビー界の模索は続く。

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