米利上げ見送り、産業界は不安視も…食品「輸入食材高騰」、自動車「米国販売に影響も」

 FRBの利上げ見送りについて、産業界や閣僚からは「適切」と評価する声が上がった。ただ、利上げのタイミングは見通しにくく、各社が戦々恐々とする局面は続きそうだ。

 「適宜適切に判断された。まあ悪くなかった」

 甘利明経済再生担当相は18日の記者会見でこう感想を述べた。

 だが、年内にも予想される利上げをめぐって、産業界の受け止め方はさまざまだ。

 利上げで日米金利差拡大が意識されれば再び円安ドル高が進むとみられるが、経済同友会の小林喜光代表幹事は「(日本企業は)1ドル=130円までなら吸収可能」と冷静な見方を示す。

 これに対し、キリンホールディングスの磯崎功典社長は「年初からの食料品価格の値上げで個人消費は低迷中。円安による輸入食材の高騰分を販売価格に転嫁する動きが広がれば、影響は小さくない」とこぼす。

 利上げで米金利は上昇しやすくなる。日本自動車工業会の池史彦会長は「米国の顧客は金利に非常に敏感。(自動車ローン)金利が上がれば影響は少なからずある」と米国販売の先行きを心配する。

 一方、日本の長期金利も米金利に引きずられて上がる可能性がある。保険会社の多くは債券市場で運用益を稼いでおり、生命保険協会の筒井義信会長は18日の会見で「長期金利が上昇局面に入れば、(国債の利息収入は)プラスになる」と歓迎した。