秘録金正日(42)

拉致被害者を破廉恥パーティーに招待 北朝鮮に「私が連れてくるよう指示した」

 金正日(キム・ジョンイル)は、生後すぐに旧ソ連の遊撃隊訓練キャンプの託児所に預けられ、母親も十分に愛情を注ぐ余裕がなかった。幼少時の正日に母乳を与えた北京在住の李在徳は「正日は、欲求不満のせいか、いつもうちの娘にかみついて泣かせた」と振り返る。

 正日の精神構造を研究した米アリゾナ州立大元教授のチョ・ヨンファンは著書で「母性愛欠乏症に加え、反動から屈折した性格の持ち主になった」と分析する。最高指導者の長男という立場に優越感を持ちながらも、異母兄弟らに劣等感を抱いて成長し、必要以上の自己顕示欲や誇大妄想癖を見せることが多かったとされる。

「服脱がされる」ゲーム

 大韓航空機爆破犯の元工作員、金賢姫(ヒョンヒ)の手記によると、北朝鮮に拉致された田口八重子は「(金正日)指導者同志の誕生日祝賀会に私も出席した」と賢姫に打ち明けたことがあった。

 たくさんの芸術家や拉致されたとみられる日本人夫妻も出席したパーティーでは、有名女性歌手が「続けざまに服を脱がされる」ゲームが披露されたという。

 韓国人女優、崔銀姫(チェ・ウニ)もその種のパーティーに呼ばれた拉致被害者の一人だ。

 「私が(あなたを)連れてくるように指示した」

 正日は、彼女に面と向かって犯行の指示をひけらかした。拉致という「犯罪被害者」の彼女らを破廉恥な酒宴に招いたうえ、自らの指示さえ悪びれることなく口にしたのだ。