「オノマトペ」診断の一助に 頭痛や腰痛などの慢性痛

 竹田元特任助教は「診療現場では患者さんは緊張してオノマトペが使いにくい。だから、医師側から積極的に使うことで問診がスムーズにはかどるのでは」と話す。

客観的に評価

 医療現場で患者の痛みの程度や質を客観的に評価することは治療の上で重要だが、非常に困難だ。そこで従来、患者に痛みの強度を指し示してもらう「視覚的評価スケール」や、目盛をつけて具体的な数字を示す「数値化スケール」、笑顔から泣き顔まで5種類の表情を選んでもらう「表情評価スケール」などを使って痛みをとらえようとしてきた。

 小川教授によると、例えば「『ガンガン』がなくなり、電気刺激が走るような『ピリピリ』が残っている」と患者が表現した場合は、病歴から、片頭痛は改善されたが帯状疱疹など神経性の痛みは残っていることが分かるという。「診療の中でオノマトペの重要性は感じていたが今回、それが裏付けられた形だ。今後は、外科手術などによる急性期の痛みとオノマトペに関する研究を進めていきたい」と話している。

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