「オノマトペ」診断の一助に 頭痛や腰痛などの慢性痛

 ただ、中には個別の診断名に関連したオノマトペもあった。血管の炎症により起こるとされる片頭痛など頭痛については「ガンガン」、関節リウマチなど関節の痛みは「ギシギシ」「ゴリゴリ」と表現する傾向が強い。一方で、帯状疱疹(ほうしん)後神経痛など神経による痛みでは「ピリピリ」「チクチク」が多かった。

感覚的に区別

 オノマトペの語形は、言葉の繰り返しや、「ン」を多用するといった構成が特徴で、体の痛みも、子音や母音の違いで感覚的に区別して表現しているとされている。今回の調査では、炎症による痛みは「ガンガン」のように有声子音が使われており、不連続で重く大きな余韻を残す痛みを表現。神経の痛みは「ピリピリ」や「チクチク」など「パ行」「タ行」などの無声子音が使われる傾向があり、連続的ながらゆっくりと軽く小さく流れるような痛みを表している、と考えられるという。

 患者もオノマトペを使いながら、痛みを具体的に医師に訴えようとしている。調査では74・7%の人が「医師や看護師に痛みをうまく説明できなかった」と回答していたが、痛みを表現する際に、ズキズキなどのオノマトペを活用している人は82・8%、オノマトペを使ったことで痛みを理解してもらえた、と考えている人は80・6%に上った。

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