豪新首相のマルコム・ターンブル氏(60) 政界屈指の大富豪は「庶民」にも愛される苦労人

 オーストラリアの長者番付(2010年)で200人中、資産1億8600万豪ドル(約160億円)で下院議員として唯一名前が載った「政界屈指の大富豪」だ。1994年に投資したハイテク企業を5年後に買収価格の100倍以上で売却するなど、経営手腕への評価は高く、経済界にも多彩な人脈を持つ。

 都会的で知性ある弁舌に好感を抱く市民も多い。だが、「庶民感覚」が愛される土地柄で幅広い人気を集める理由は、苦労人としての生い立ちにある。

 幼少期に両親が離婚して父親に育てられ、奨学金を得てシドニー大学や英オックスフォード大学に学んだ。記者や弁護士を経て、投資銀行で敏腕バンカーとして成功し、2004年に政界に転出した。

 英女王を元首とする君主制是正を求める「オーストラリア共和国運動」で議長を長年務めるなど、思想はリベラル。08年に党首に就任したが、積極的な環境保護策が党内の反発を招き、09年の党首選でアボット氏に負けた。党内で意見が割れる同性婚を容認する。ただ、政治家としては「プラグマティスト(現実主義者)」の評価が多い。元シドニー市長の妻、ルーシーさんとの間に1男1女。

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