北朝鮮拉致

曽我ひとみさんが語るいまだ帰らぬ母への思い(下) 満たされない心の理由 「たった一人の最愛の母がいないから」

 たった一人、最愛の母がいないからです。とても苦しいです。いつになっても私は母の娘なのです。時間だけが無情に過ぎていき、拉致から37年がたちました。帰国以来、毎日、毎日、母の情報がどこからか入ってくるのではないかと思っています。

 でも期待すれば期待するほど、何もないことに疲れて焦燥感だけが残っています。他の人に頼ってばかりいてはいけないと分かっていても、私個人ではどうすることもできません。でも何もしていないわけではありません。

 家族会や救う会全国協議会の人たちのような活動はなかなかできませんが、島内における署名活動や県主催の集会など、年4回ほど地元の救う会と活動しています。また、3年前からは、島内の小中学校を回って講演会を行っています。当然、母を含む拉致被害者全員を取り戻したいからです。そして時間の経過とともに、この拉致問題が風化することを懸念しているからです。

取り戻すことのできない「奪われた時間」

 きょう私の話を聞いてくださったみなさん、一日も早くこの問題が解決できるよう、ご協力をこれからもよろしくお願い致します。何か難しいことをしてくださいというのではありません。みなさんの近くで署名活動をしていたら名前を書いてください。ブルーリボンやブルーバッジを付けてください。一人一人の思いを政府に届けるのです。

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