浪速風

鬼平が許さんぞ!

大雨の影響で鬼怒川が氾濫し街中まで水が押し寄せた=10日、茨城県常総市(蔵賢斗撮影)
大雨の影響で鬼怒川が氾濫し街中まで水が押し寄せた=10日、茨城県常総市(蔵賢斗撮影)

池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」では、火事の知らせを受けた火付盗賊改方の長谷川平蔵が、現場に三つ藤巴の家紋が描かれた高張提灯を掲げさせる。平蔵がいると知らせて、火事場泥棒を防ぐためである。実際、江戸の町では火事場泥棒が横行し、大八車に家財道具を積めるだけ積んで逃げたらしい。

▶まさしく「世に盗人の種は尽きまじ」だが、これは許せない。豪雨で鬼怒川が決壊して水没した茨城県常総市の被災地で、空き巣が相次いでいるという。あわてて避難したので、戸締まりを忘れた人も多いだろう。窓ガラスを割って侵入された家もあり、十数件の被害が報告されている。

▶昨年の広島市の土砂災害でも空き巣被害があった。助け合うべき災害時に、これほどの卑劣はない。宮城県大崎市の被災地では、夏の甲子園で準優勝した仙台育英高の野球部員らが、浸水した住宅の後片付けや避難所への救援物資の運搬を手伝っている。火事場泥棒よ、恥を知れ。