英労働党党首にコービン氏 「経済格差と貧困我慢ならない」 反緊縮や反核訴える ノーネクタイのスタイル

 大学は出ておらず、無精ひげにノーネクタイの独自のスタイル。反緊縮や反核、大学の授業料無料化など、キャメロン首相率いる与党・保守党とは根本的に異なる政策を打ち出し、緊縮財政や経済格差の拡大に不満を抱える若者や労働者層らに支持を広げた。

 労働党は94年、ブレア党首が自由主義経済と社会的公正を調和させた「第3の道」を掲げて97年に政権を奪回。欧州における中道左派の流れを主導してきた。それだけに、一部の党幹部らは、最左派のコービン氏が党首になれば、次期総選挙で惨敗し、党の分裂も招きかねないとの危機感を募らせ、中道寄りの候補への投票を呼びかけていた。

 だが、反緊縮など大衆迎合的な強硬左派が財政難に苦しむギリシャやスペインなどに加え、英国でも勢力を伸ばしたことは、欧州の左派にも議論を巻き起こすものとみられている。

 党首選は、ミリバンド党首が今年5月の総選挙で敗れた責任をとって辞任したことに伴い行われた。

会員限定記事会員サービス詳細