英労働党党首にコービン氏 「経済格差と貧困我慢ならない」 反緊縮や反核訴える ノーネクタイのスタイル

 【ロンドン=内藤泰朗】英国の最大野党、労働党は12日、新党首に強硬左派のジェレミー・コービン下院議員(66)を選出した。同氏は鉄道や電力会社の再国有化、富裕層に対する増税など急進的な政策を掲げており、1990年代以降、中道路線をとってきた同党は大きな転機を迎えた。英国における左派の急進化は、欧州の政治にも影響を与えるものとみられており、英政権に警戒感を呼び起こしている。

 コービン氏は党首選で59・5%を得票し、ほかの3候補に大差で勝利した後、「現在の経済格差と貧困は我慢できない。平等で自由な世界実現のために力を合わせて戦っていこう」と支持者らに呼びかけた。

 だが、キャメロン政権は「コービン氏の政策は、国家の安全保障にとって危険だ」(ファロン国防相)と憂慮の色を強めている。

 泡沫候補とみられていたコービン氏が一躍注目を浴びたのは、7月初めに最大労組ユナイトの支持を得たため。その後も数々の労組から支持を得て、一気に党内の勢力を拡大した。

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