理研CDBが語る

細胞の中をめぐる旅 分子の物流の仕組みがみえてきた

 それだけではなく、このアダプターには荷札のような役割もあり、アダプターを見分けることでそれぞれの荷物を正しい目的地に送り届けることができるのだ。

 細胞内には荷物の仕分けを担う物流拠点があることも分かってきた。しかし、細胞内の適切な場所に物流拠点を作る仕組みや、たくさんの荷物を正しく仕分ける仕組みの多くはまだ謎に包まれている。細胞の中の物流の仕組みを解き明かす旅の終着点はまだ先になりそうだ。

 大谷哲久(おおたに・てつひさ) 京都大大学院修了。平成19年より理研CDB・形態形成シグナル研究チームに所属。細胞の形作りと細胞内の物流の仕組みについて研究している。大学院時代は培養細胞を、現在はショウジョウバエを主な研究の対象としている。休日には3歳になる娘と遊んだり、教会でピアノを弾いたりして過ごす。37歳。