横尾忠則さんに世界文化賞 地元・兵庫県西脇市で祝福の声 - 産経ニュース

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横尾忠則さんに世界文化賞 地元・兵庫県西脇市で祝福の声

 世界の優れた芸術家を顕彰する第27回「高松宮殿下記念世界文化賞」絵画部門で、西脇市出身の横尾忠則さん(79)の受賞が決まってから一夜明けた11日、地元の同級生や関係者に喜びの声が広がった。西脇をこよなく愛する横尾さんは、現在も故郷を舞台にした創作活動に力を入れている。

 横尾さんは昭和11年6月、西脇町(現在の西脇市)生まれ。県立西脇高校を卒業後、新聞社の図案担当を経てグラフィックデザイナーとして活動を開始した。横尾さんの少年時代を知る知人は「無口でおとなしかったが、発想や着眼点はすばらしかった」と振り返る。

 西脇市岡之山美術館(同市上比延町)の館長で、横尾さんと中学、高校の同級生だった好岡輝寿さん(78)は「彼は好奇心が旺盛で世界観が絶えず進歩している」と、横尾さんの衰えぬ創作意欲に賛辞を贈った。

 同館は昭和59年10月、横尾さんの作品を専門に展示保存する美術館として開館した。当初は横尾さんの名前を館名に冠する予定だったが、横尾さんが辞退し、現在の名称に決まった経緯がある。

 平成24年に横尾忠則現代美術館(神戸市灘区)がオープンするまでの28年間、横尾さんの企画展を、開館から連続して計56回開催した。企画展などのポスター71枚はすべて横尾さんが手がけた。今年10月25日からも、約5カ月間にわたって、横尾さんの企画展が開かれる予定だ。

 また、横尾さんと地元との結びつきを一層、強くしたのが西脇市を通るJR加古川線に平成16年12月から24年11月まで導入されたラッピング電車だった。故郷の街角にあるY字路など横尾さんのユニークなデザインが話題を呼んだ。

 これらの芸術活動を通じて郷土愛を表現し続けてきたことが評価され、西脇市は25年6月、横尾さんに名誉市民称号の第1号を贈呈した。授賞式で横尾さんは「西脇の過去を見つめながら未来を創作していきたい」と抱負を語っていた。現在は西脇市産の酒米「山田錦」を使った日本酒のラベルと箱のデザイン制作を進める。

 横尾さんの世界文化賞受賞を受け、「西脇市の誇り」と喜ぶ片山象三市長は「今後のますますの活躍をお祈りします」とコメントした。