歴史戦

米教科書めぐり日本人学者50人が米歴史家に反論 慰安婦記述「全体の信憑性が問われる」

 マグロウヒル社の教科書には、「慰安婦は天皇からの贈り物である」とか、「終戦に際して、証拠隠滅のために多数の慰安婦が殺された」などという、まったく根拠のない表現も見受けられる。これらは、いずれも、あたかもフィクション作家による「創作」のようであり、本来、学者が書く歴史教科書には、決してあってはならないものである。また、すでに述べたように、当該教科書の慰安婦の箇所については、わずか26行の中に8カ所も間違いがあったわけであるが、その他の部分については、間違いがほとんどないとは考えにくい。あの教科書全体の信憑性が問われるわけであり、これは、米国の歴史学会全体の名誉にかかわる問題ではないだろうか。米国の歴史家は、日本政府に対する抗議声明を出すより、米国の歴史教科書の内容の妥当性について、全面的な検討作業を開始するよう米国内においてしかるべく働きかけ、また、自らもそうした方向で行動すべきである。なぜならば、米国の次の世代の人々が正しい歴史認識を持てるかどうかは、それにかかっているからである。そして、それは、米国にとってだけでなく、国際社会全体にとっても極めて重要なことである。

 ※この文章は、米国歴史学会(AHA)の機関誌『パースペクティブズ・オン・ヒストリー』の2015年3月に掲載された「20人の米国人歴史家の声明」に対する日本の学者有志による反論である。

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