山ガール&外国人の遭難急増 富士山3ルート冬期閉鎖 静岡

 県は10日、富士宮ルートなど県側の富士登山3ルートを冬期閉鎖(全面通行止め)とし、富士山の今年の夏山シーズンが終わった。県警によると、今夏は登山を楽しむ女性グループ「山ガール」や外国人登山客の遭難が急増。世界文化遺産としての定着で登山者の裾野が広がっていることが原因とみられ、登山経験の浅い入山者への対策などが急務となっている。

 県警地域課によると、この夏の登山期間(7月10日~8月31日)の遭難者は50件55人で、前年同期(50件54人)とほぼ横ばい。しかし、このうち外国人遭難者は15人(前年同期比7人増)で約2倍になったほか、女性の遭難者が26人(同10人増)といずれも大幅に増加した。外国人の場合は道迷い、山ガールは疲労による救助要請が多かったという。

 こうした傾向について同課は「世界遺産ということが広く浸透してきたことで、外国人や山ガールが(比較的気軽に)富士山を目指すようになったのではないか」と分析している。

 また、死亡・行方不明者は前年と同じ0人、重傷者は5人(同2人減)、軽傷者は14人(同2人増)、無事救出は36人(同1人増)だった。同課によれば、無謀な登山をする人が目立っており、7月には県外の30代女性が男児(5)と女児(1)を連れて登山し、救助を求めた例があったほか、サンダルやTシャツ姿の登山者も見受けられたという。

 県警は今後、休憩を取らずに山頂を目指す弾丸登山客の対策を重点に、行政などに対して5合目に向かうバスの運行時間の見直しなどを要請する方針。また、山登りの険しさが増す冬期閉鎖期間中に入山する登山者も少なくないため、県警の真田喜義・山岳遭難救助技能指導官は「冬の富士山は命を落とす危険性が非常に高まる。経験のない人は絶対に入らないでもらいたい」と経験の浅い登山者が安易に挑戦しないよう注意を呼び掛けている。

 夏山期間中の最終的な登山者数は環境省が集計中だが、前年より減少する見込み。県は、お盆以降の悪天候に加えて、昨年9月の御嶽山(長野、岐阜県)の噴火や神奈川県の箱根山の火山活動の影響で、小・中学生の団体が来訪を見送ったことが主な原因とみている。

 富士山保全協力金(入山料)も前年と同じ協力率を維持できる公算が大きいものの、目標額の約7千万円には届かない見通し。県は10月に関係者会議を開き、来夏の入山料制度などについて協議する。県富士山世界遺産課の小坂寿男課長は「登山者が減少傾向にある中でどうやって入山料を集めていくかが課題となる。広報の仕方などを含めて改善点を探っていきたい」と話している。

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