主張

日米原子力協定 継続は安倍首相の課題だ

 原発の使用済み燃料への対応も腰が重い。再処理工場は完成目前で止まったままだ。高レベル放射性廃棄物を地底に埋める最終処分場探しにも遅れが生じている。

 この状況が米国の目に、どう映るのか。日本が特権として持つ核燃料サイクルを進める気がないと判断されると日米原子力協定の継続に影が差す。米国が日本の取り組みに疑問を持てば、延長はなくなろう。

 日本は、30年の時点での電源構成に占める原子力の割合を20~22%としているが、稼働原発が少なければ、再処理によるプルトニウムをウランとの混合燃料にして消費する量も少なくなる。過剰のプルトニウム保有は、核不拡散上での無用な批判を招きかねない。

 山積する課題解決へ安倍首相が先頭に立たなければ、日米原子力協定継続への環境整備は間に合わない。

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