旅で知る〜東日本大震災4年半

(中)体験型ツアー

 しかし、地震と大津波により砂州は一部決壊、松林はなぎ倒され、風景は一変した。約45キロの距離にある東京電力福島第1原発事故の影響により、地元漁協は漁を自粛し、観光客が求める海の幸も失われた。松川浦のシンボル、松川浦大橋(全長520メートル)は今も通行止めのままだ。

 従来の観光資源が失われた中、試行錯誤を重ねて誕生したエコツアー。参加者は沿岸の旅館に宿泊。地元ガイドの案内で、湾に生息するさまざまな生物とふれあったり、本格的な操業に向け試験操業を続ける地元漁師の話を聞いたりする。

 事前に放射線量などについて情報収集をした上で来たという参加者は、「自然とふれあえて良かった」「また来たい」と満足そうに語った。

 松川浦ガイドの会の管野貴拓会長(39)は「現状では大勢の観光客を呼ぶのは難しい。しかし、復興作業が終わる日までの期間を無駄にせず、観光地としての実力を蓄えたい」と再生を誓う。

 ◆人柄が魅力

 同県いわき市でも地元漁師とのふれあいや特産のホッキ貝の殻むき体験などを新たな観光資源とするツアーが8月22日から1泊2日で開催され、全国から約40人が集まった。