市民が知りたいことに答えるのが本来の仕事なので、提供する情報に放射線に関するものが加わっただけで、震災前後でスタンスが変わったわけではありません。ただ、線量調査はぼくが福島にいる限りはライフワークになっていくでしょうね。
いずれは、放射線のことを誰も気にしなくなって、「調べラボ」も、海洋文化を伝えるような活動になっていく。それが自然だと思いますし、目標ということになるんでしょうか。(談)
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■原発沖、海洋調査に同行 魚介類増加、巨大アジも
地元の海のことは自分たちで調べよう-。そんな思いを共有する市民らが原発事故による海洋汚染について調査しているプロジェクトが「いわき海洋調べ隊 うみラボ」だ。福島第1原発の沖合で海底土を採取し、サンプル魚を釣って放射線量を計測。アクアマリンふくしまの「調べラボ」とも連携して情報発信を続けている。
7月上旬に行われた調査に同行させてもらった。いわき市の久之浜漁港から釣り船で北上。霧が濃くて、間近なはずの海岸も見えない。第1原発に最接近したときだけ、たまたま霧が薄れ、事故処理作業が続く建屋の姿などを望むことができた。