アイナメって、事故後に何万ベクレルのものが釣れたっていうニュースがあったせいで「食べられない」と思い込んでいる人が多いんですが、原発前の海域で釣って8月に測ったアイナメ4匹は、2匹がND(不検出)、高いもので7・44ベクレル/キログラムでした。使っている機械で検出できるのは5ベクレル/キログラム以上なので、NDのものも近い数字かもしれない。
これぐらいの数字だと流出した汚染水の影響ではなく、現在の海水の環境を示していると思います。震災後に生まれた魚で基準値を超えるものは、今後も出てこないでしょう。そういう説明をして、試験操業でとれた魚の試食もやっています。好評ですよ。前回はワタリガニのパスタを100人前、提供しました。
最近は、風評というのも様子が変わってきて、デマを信じてというより、考えるのが面倒だから福島産を避けるという感じになっています。食べものはほかにいくらでもあるわけだし。でもそれぐらいの垣根なら、一度食べちゃえば越えられる。躊躇(ちゅうちょ)なく食べられるようになるのが一番ですから。福島に住んでいる人や、水族館を訪ねてくれる人の心を、そっと後押しできればいいですね。