太地町くじらの博物館、JAZAを退会 「許可漁からの入手これまで通り」

 日本動物園水族館協会(JAZA、東京)が和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたイルカの入手を禁止したことを受け、同町立くじらの博物館がJAZAを退会したことが8日、分かった。同館は漁によるイルカの入手を継続することを決めており、JAZAからの退会の求めに応じた形だ。一連の問題を受けてのJAZA脱退は、同館が初めてとみられる。

 同館によると、JAZAから3日付で「退会のお願い」とする荒井一利会長名の文書がメールで届き、「このままくじらの博物館が入手を続けると、JAZAが世界動物園水族館協会(WAZA)から除名を宣告される可能性がある」と記されていた。同館は4日に、退会を了承するメールを送信したという。

 同館は8月23日、太地町内であった追い込み漁イルカの購入順を決める「くじ引き」に、JAZA加盟団体として唯一参加。除名は避けられない状況だった。桐畑哲雄副館長は「ある程度予想していた。太地町の施設として、許可を受けている漁からの入手をこれまで通り続けていく」と話した。

 一方、JAZAの長井健生専務理事は「JAZAの規定とくじらの博物館の意向が明らかに異なることが分かったため、罰則がない退会のお願いをすることになった」と説明した。

 追い込み漁をめぐっては、国際組織のWAZAが「残酷だ」と問題視。JAZAは5月、加盟施設による投票を実施し、追い込み漁イルカの入手禁止を決め、従わない施設を除名するとしていた。

 JAZAなどによると、国内でイルカを飼育しているのは30施設ほど。漁で捕獲されたイルカも多く、今後も退会を迫られる施設が出る可能性がある。

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