スポーツ異聞

御嶽山噴火から1年、登山計画の「盲点」に気づけ!「逗子開成高」遭難事故の教訓

35年前の遭難事故の教訓を生かす-。逗子開成高の山岳遭難事故の後、山の安全を祈念して建てられたケルン=長野県白馬村
35年前の遭難事故の教訓を生かす-。逗子開成高の山岳遭難事故の後、山の安全を祈念して建てられたケルン=長野県白馬村

 登山は高校総体(インターハイ)の競技の一つであり、山登りに関するスキルや知識、悪天候への対処などを競うスポーツである。登山の大衆化に伴い、世界文化遺産の富士山には物見遊山の外国人観光客が増えているという。「登山計画に無理はないのか」「道に迷ったらどうすればいいか?」。入念な準備や計画、登山の知識の積み重ねが重大事故から身を守る。御嶽山の噴火からまもなく1年、今から35年前、高校生ら6人が犠牲となった遭難事故の「教訓」を忘れるな-。

高校山岳部の悲劇

 北アルプスの稜線から剣・立山連峰までの大パノラマを楽しめる唐松岳(標高2696メートル)は長野、富山の県境に位置する。八方尾根からゴンドラとリフトを乗り継ぐと、約4時間の行程で頂上山荘にたどり着く。利便性のよさから初心者にも人気だが、35年前の冬、高校登山部のパーティーが遭難。引率教師を含む6人が犠牲になった痛恨の山岳事故を記憶する者は少ない。

 惨事は1980(昭和55)年12月に起きた。逗子開成高(神奈川県)登山部が雪上訓練中、悪天候に見舞われ、全員が雪の中に消えた。当時、周辺には大学登山部など数グループがいた。このパーティーだけが被害に遭ったことは「謎」とされたが、事故後、複合的な原因が明るみになった。

 冬山の登山計画は通常、日数に余裕を持って「予備日」を入れるが、同校の登山計画は冬山合宿という過酷さを考慮せず、悪天候対策も不十分。安全かつ初歩的な訓練の場は他にもあったと言わざるを得なかった。当然のように、学校側の監督責任が問われた。

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