日本の議論

離婚訴訟で増えつつある「冤罪DV」 証拠なく認定されるケースも 夫には「おっさん、ざま〜みろ」とメール

 「冤罪(えんざい)DV」という言葉がある。子供を連れて別居した妻が、離婚の理由として裁判で「夫からDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けた」と虚偽の主張をすることを指すが、最近の家事法廷でDVを認めないケースもみられる。冤罪を晴らした夫は「かつての痴漢冤罪と同じで、女性の言い分がそのまま認められがちだ」と指摘。専門家からは「裁判や行政手続きを有利に運ぶための虚偽の主張もある」と慎重な判断を求める声もあがっている。

DVの証拠写真を捏造?

 関東地方の40代男性は「暴力をふるわれた」として40代の妻から離婚や慰謝料などを請求されたが、家庭裁判所は平成23年10月、妻の訴えを棄却した。妻は男性が「夕食を準備した食卓をひっくり返した」「馬乗りになって髪の毛を引っ張った」「就寝中に起こし頭を殴った」と主張していたという。

 男性は否認し、家裁も判決で「DVを裏付ける証拠はない」と判断。妻が提出したあざの写真について、妻が撮影日や撮影場所を後になって訂正したり、「(夫の)暴行によるものではない」とあいまいな発言をしたことなどを重視したとみられる。

「ローリスク、ハイリターン」のDV主張

 一方、妻と同居する長女の監護権をめぐる審判では、家裁は今年5月、妻が男性の暴言や暴力を恐れながら生活をしていると保健師に相談していた経緯を認めた上で、妻を長女の監護者として認めている。

会員限定記事会員サービス詳細