8日告示の自民党総裁選で、安倍晋三首相(党総裁)の陣営は、党内全7派閥だけでなく谷垣禎一幹事長ら無派閥の4グループからも、立候補に必要な20人の推薦人名簿に搭載する方針を決めた。「多国籍軍」を構築して、推薦人確保に窮する野田聖子前総務会長を追い込み、無投票再選を確実にする狙いがある。一方、野田陣営では4日、尾辻秀久元参院副議長が推薦人となる意向を固め、総裁選は混沌(こんとん)としてきた。
■石破・谷垣・甘利氏系にも「推薦人を」
派閥以外の動向では、石破茂地方創生担当相に近い「無派閥連絡会」が首相の推薦人に斎藤健副幹事長を指名する方向で調整に入った。首相陣営は谷垣氏に近い「有隣会」や甘利明経済財政担当相が代表を務める「さいこう日本」にも推薦人の提供を求めている。
首相陣営がこれほどまでに広範な支持の構築に走るのは、野田氏の推薦人の芽を早期に摘んでおこうという狙いだ。谷垣氏は4日の党役員連絡会で「法案審議と総裁選のダブルトラック(同時実施)は経験がない。法案審議に影響が出ないよう対応していきたい」と指摘、安全保障関連法案への影響を懸念した。