理研CDBが語る

昆虫にも存在するインスリン 生命や進化の謎を解く手掛かりにも

 しかし、謎はまだまだ山積状態だ。私が挑戦しているのは、「昆虫のインスリンの機能がどのような仕組みで調節され、適切に代謝や成長が調節されているのか」という謎である。発生過程で取り込んだエネルギーを代謝や成長にどのように分配するのかは重要な問題であり、その調節をつかさどるインスリンの機能を厳密かつ柔軟に調節する仕組みがあるに違いない。

 ヒトと昆虫は似ていると言うと、けげんな顔をするかもしれないが、私は昆虫を使ってインスリンが働く仕組みを解き明かし、生命に普遍的なメカニズムや進化の不思議に迫っていきたい。

 岡本直樹(おかもと・なおき) 名古屋大大学院修了後、平成22年より理研CDB研究員。2015年9月よりカリフォルニア大学リバーサイド校昆虫学部研究員。幼少期は昆虫と恐竜に、学生時代は、ロックとギターに熱中する。大学時代に、ワルター・J・ゲーリングの「ホメオボックス・ストーリー」を読み、生物の発生の仕組みとその進化に興味を持つ。大学院生のころから、カイコガとショウジョウバエを用いて一貫して昆虫インスリンに関する研究をしている。趣味は、レコード集めと音楽鑑賞・ビールと日本酒。33歳。