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共働き家庭の増加とともに都心部などで保育園の新設が相次ぎ、周辺住民とトラブルになるケースが後を絶たない。「騒がしい」など従来の静かな環境を維持したい地域住民らの苦情を受けて開園を延期したり、「平穏な日常生活が侵害された」として、開園後に訴訟に発展したりするケースもある。「子供の声は騒音なのか」をめぐる議論は各地に広がり、波紋を呼んでいる。(中井なつみ)
東京都目黒区で今年4月、一部の周辺住民の反対により、認可保育園の開園が延期となった。今も開園のめどは立っていない。
「静かな住宅街を守りたい」と主張する高齢者ら周辺住民のために園は、遮音フェンスを付ける▽窓は二重サッシにして防音を強化する▽送り迎えに利用できる道路を限定する-などと提案。しかし、合意に至らず、運営予定会社の担当者は「騒音への配慮はするが、保育園は(子供が通いやすい)住宅地にこそ必要な施設なのですが…」と困惑する。