なぜ犯罪者を厚遇するのか…社会にプラスになる処遇を
受刑者の処遇をめぐって、世間では「なぜ犯罪者を厚遇するのか」という声もある。しかし、海渡弁護士は「受刑者は罪を犯し、刑務所で罰を受けている。自由な生活ができないことそれ自体が苦痛なのに生活環境でさらに苦痛を与え、社会を恨むようになれば、社会にプラスなことはない。受刑者が『こんなによくしてくれた』と感じることが、社会復帰や社会貢献につながると確信している」と主張し、視察委員会の活動を評価している。
視察委員会は、北は網走刑務所から南は鹿児島刑務所まで、本所と位置づけられる77の刑事施設に設置されている。弁護士や医師、地域住民など計372人の委員が視察や受刑者らの面接を行い、施設長に意見を提出する。26年度は計191回の視察を実施。計575件の意見を提出し、刑務所側は、このうち396件について措置を講じたか、講じる予定だという。