マイナンバー成立

預金口座に番号紐付き 情報流出さらに懸念

 3日の衆院本会議で成立した改正マイナンバー法では、平成30年から銀行などの預金口座にも任意で番号を適用することができるようになった。政府が国民の資産を正確に把握することで脱税や生活保護の不正受給を防ぐ狙いがあるが、一方でさらなる個人情報の流出や国の監視強化を懸念する声も上がっている。

 対象となる個人口座数は今年3月末時点で約8億口座に上る。会津大の山崎文明特任教授(情報セキュリティー)は、1人で複数の銀行口座を持つ人が多いことを踏まえ、「複数の金融機関に自分のマイナンバーが重複して登録されることになる」と指摘。「マイナンバーを持つ企業が増えれば、その分流出のリスクが高まる」と話した。

 また、消費者団体「日本消費者連盟」の大野和興(かずおき)共同代表は、銀行口座への適用について「本来知られたくない情報をある意味強制的に見られる仕組み。人権侵害だ」と話した。今後についても「一旦制度が始まれば、解釈や運用、改正法で適用範囲がとめどなく広がっていくのではないか」と懸念を示した。

 一方、税分野ではメリットも。預金口座とも結びつければ脱税などが発見しやすくなり、公正な課税が実現できるという。生活保護の不正受給を未然に防げる可能性も高まるほか、犯罪捜査にも役立つ。国税庁幹部は「効率化で浮いたマンパワーを、悪質な所得隠しや富裕層の課税逃れなどの調査に回したい」と強調している。

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