クジラの町「警戒」…太地の追い込み漁初出漁、抗議宣言や反捕鯨家の姿も

 解禁前日の8月31日、追い込み漁を批判的に描いた米ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」に主演した米国籍の男性活動家(75)を入管難民法違反(旅券不携帯)容疑で現行犯逮捕。容疑を認めたため9月1日夜に釈放したが、緊迫した状況は続いている。

 8月20日には、反捕鯨団体の違法行為を監視するため町内に臨時交番を設置、24時間態勢で監視を続ける。反捕鯨団体とみられる外国人には、女性も増えていることから、臨時交番には今季初めて女性警察官2人を配置した。

 追い込み漁で捕獲されたイルカのうち、水族館などで飼育する分の購入については、8月23日に太地町漁協で購入順を決めるくじ引きが行われた。水族館や仲買業者など国内約20団体が参加し、計約150頭の注文があった。

 昨年までJAZA加盟の十数施設が参加していたが、今回は、加盟施設による注文は、同町立くじらの博物館だけとなっている。

 初出漁を終えた太地町漁協の貝(かい)良(よし)文(ふみ)参事は「波も穏やかで天候もまずまずだったが、捕獲できずに残念だった。反捕鯨活動家は例年より少なく、トラブルも聞いておらず静か。われわれとしては、変わらず漁を続けていく」と話した。

 町漁協は今季、追い込み漁の映像を撮影し、インターネットなどで初めて公開することを検討している。反捕鯨団体などが指摘する「残虐性」はないことを主張するのが狙いだ。

 同町の三(さん)軒(げん)一(かず)高(たか)町長は3日の出漁を受け、「追い込み漁はきちんと日本の法律で認められた漁。漁師の生活もかかっており、町としてもしっかり守っていく。今シーズンも豊漁で無事に終わってほしい」と話した。

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