見直しを余儀なくされた「ゆとり教育」のように、理念先行の改悪にならないか。
大学入試改革について文部科学省の有識者会議が「中間まとめ」を出したが、具体性に欠け、狙い通りにいくのか不安が拭えない。
高校、大学を通して、しっかり学び、知識と教養を高める教育につなげるよう考えてもらいたい。
改革では、大学入試センター試験に代わり年複数回受験可能な新たな共通テストを導入し、各大学の2次試験では高校時代の部活動、社会活動を評価するなど選抜方法に工夫を促す。
「一発勝負、1点刻み」の入試を見直すものだ。中央教育審議会答申を受け、有識者会議が詳しい実施方法などを検討している。
中間まとめでは、新共通テストについて、平成36(2024)年度以降に本格実施する日程が示された。しかし、肝心の出題内容や年何回行うのかなどは明確にされなかった。
出題のポイントについて「情報を整理・統合し推論する」といった例示はあるが、そうした観点の出題は小中学生の学力テストを含め、すでに入試で取り入れられてきたことではないのか。