分裂状態となった維新の党の党本部(大阪市)に、支持者から「党費を返せ」などの抗議の電話が相次いでいることが1日、分かった。8月31日までに年2千円の党費を納めた人には、党代表選(11月1日投票)での投票権を与えるとして新規党員を募っていた。
維新本部などによると、元最高顧問で地域政党「大阪維新の会」の橋下徹代表(大阪市長)らの意向で、代表選では党員にも国会議員と同じ「1人1票」を与えると決め、党員を募集。新規入党者は1万人規模になる見通しという。だが、橋下氏らが8月27日に離党し、新党結成を表明。維新は民主との連携を協議し、代表選が実施されるかも不透明な情勢となっている。
維新本部などには「入党を取り消したい」「新党に移りたい」などの電話が殺到。こうした状況を受け、維新の元顧問で大阪維新の松井一郎幹事長(大阪府知事)は1日、府庁で記者団に対し「ご不満の皆さんには、新党を作ったときには今回の負担分を引き継ぐ」と述べ、維新から新党に移る人からは1年間党費を徴収しない考えを示した。
一方、松井氏は新党の名称に「おおさか維新の会」が有力になっていると明かした。「大阪維新の会の活動と実績にはこだわりがあるが、仲間の中には大阪だけの政党と誤解を生むとの懸念もある」と述べ、今後大阪維新内で協議し、最終決定する考えを示した。