朝日新聞で初期の慰安婦報道に関わった植村隆元記者(北星学園大非常勤講師)の産経新聞インタビュー詳報の3回目は次の通り。聞き手は本紙政治部の阿比留瑠比編集委員と外信部の原川貴郎記者。
「テープだけ聞いて書いたわけではない」
植村 (言いたいことは)分かりました。それが、まあ、いつも阿比留さんがおっしゃっていたことなんで、ここで言いましょう。阿比留さん、僕の記事(1991年8月11日付朝日新聞大阪本社版社会面記事)って読まれたことあります?きちんと。
阿比留 きちんとと言うか、どの記事ですか。
植村 だから僕のその、批判されている記事。
阿比留 ああ、読みました。
植村 じゃあ、ちょっと見てみましょう。(資料集の)5ページですよねえ、どうぞ。この記事というのはですねえ、まあ阿比留さんも新聞記者を長くやられているから分かると思いますけれども、信頼できる韓国の団体が慰安婦のおばあさんの証言を取り始めた、というのがメーンの記事ですよね。前文にありますよね、女子挺身隊の名で戦場に連行された朝鮮人慰安婦のうち一人がソウルに生存していることが分かって、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が聞き取り調査を、作業を始めたと。まあ、要するに新聞で言うところの一報なわけですよね。その場合、当然信用できる団体が調査しているということで取材に応じてくれた。そして記事を見ていただくと分かりますけれども、これ「尹(貞玉)代表らによると」というのがずっと長くあって、つまりテープだけ聞いて書いたわけではないのです。突然僕が一人の部屋に置かれて、テープだけ聞いたわけじゃない。テープを聞きながら解説をしてもらうわけですよね。調査団体に。
阿比留 テープを聞きながら解説をしてもらったわけですね。