税制改正要望 地方創生・子育て支援後押し 法人税20%台は困難

 平成28年度の税制改正要望が出そろった。地方創生や子育て支援といった成長戦略を後押しする要望が目立った。経済産業省は法人税の実効税率を28年度に20%台に下げるよう求めたが、27年度改正で法人税改革を実施したばかりで、代替財源のめども立っておらず、実現性は低そうだ。

 地方創生では、内閣官房が企業版のふるさと納税の創設を要望した。企業が地方自治体の事業に寄付すると法人税と法人住民税の税額が控除される仕組み。大都市に偏る法人税収を地方に配分するのが狙いだ。

 子育て支援では、政府税制調査会が今後の成長を担う若い世代が安心して結婚や子育てができるよう所得税改革の議論を進めていることもあり、控除制度の拡充要望が相次いだ。

 厚生労働省は会社員が経費として所得から差し引ける特定支出控除の経費の項目に、ベビーシッター費用を加えることを求めた。内閣府は16歳未満の扶養家族がいる場合に適用される年少扶養控除について、22年度に廃止した影響を踏まえ必要な措置を講ずるとした。抽象的な表現だが、復活も含んだ要望という。

 法人実効税率は現在、32.11%。27年度改正ですでに28年度に0.78%下げて31.33%とし、財務、経産両省は数年のうちに20%台に到達すると取り決めた。

 財務省は、経産省の要望に対して「身も蓋もない」と冷ややかだ。財源を確保する最右翼は特定の企業や業界の税負担を抑える政策減税の縮小・廃止だが、28年度が期限の16項目は減税規模が小さく、すべて廃止しても足しにならない。

 経産省もそれを心得ており、20%台は早くても29年度とみる。ただ、消費税再増税が議論される29年度改正で同時に法人税減税を持ち出しにくいため、今回で29年度分の減税に道筋を付けたい考えだという。

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