「(証言テープは)持っていない」
阿比留 まずですね、(昨年12月発売の)文芸春秋に発表された手記の中でですね、平成5年8月11日付の初報の記事(※植村氏の署名記事。「日中戦争や第二次大戦の際、『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、『韓国挺身隊問題対策協議会』が聞き取り作業を始めた。同協議会は十日、女性の話を録音したテープを朝日新聞記者に公開した。-中略-尹代表らによると、この女性は六十八歳で、ソウル市内に一人で住んでいる。-中略-中国東北部で生まれ、十七歳の時、だまされて慰安婦にされた」と記述)ですね。これは、「テープを聞いた日のことはいまでも忘れられない」と(手記に)書かれているのですが、(元慰安婦と最初に名乗り出た金学順氏の)証言テープというものは今どこにあるんでしょうか。
植村 あ、これはもちろん僕は持っていません。それはだって、韓国挺身隊問題対策協議会のテープでありまして。
阿比留 持っていないわけですね。
植村 持ってないです。
阿比留 つまり、聞いたのはその時一度だけということでしょうか。
植村 そうですね。はい。
阿比留 そうすると、あまり細部のことは、記事にした以上のことは明確に覚えていない部分もあるということになりますか。
植村 そうですね。
阿比留 それでですね、私ども、ちょっと不思議なのはですね、誰とも分からない、挺対協が出元とはいえですね、誰とも分からない、名前も分からない、証言テープだけですね、しかも1回聞いただけでですね、このような記事にできるものかなあと不思議なんですね。
植村 うーん、なるほどね。
阿比留 記者の作法としてですね。