主張

潘氏中国式典へ 国連は軍拡許容するのか

 中国が力による現状変更を目指す動きは、国際社会が結束して阻止すべき問題だ。にもかかわらず、国連がこれに無力であるどころか、許容することを意味するのではないか。

 潘基文事務総長が、北京で行われる抗日戦争勝利記念の式典に出席する。軍事パレードにも姿を見せるという。

 日本政府は、中立性への懸念を国連に伝達した。それにとどまらず、国連が平和構築への責務を果たそうとしていないとの非難を正式に表明すべきである。

 日米欧の首脳は軒並み行事への出席を見合わせた。中国の軍拡に対する抵抗感があるからにほかならない。

 一方、ロシアのプーチン大統領らは出席する。韓国の朴槿恵大統領も米国や国内保守層の慎重論を押し切る形で参加を決めた。

 中国は南シナ海の岩礁を埋め立て、軍事拠点化を進めている。米国防総省の最近の報告では、その規模は11・7平方キロを超えた。

 国際ルールを無視した中国の海洋進出は地域の平和と安全への脅威であり、日本や米国のほか、フィリピン、ベトナムなどの周辺国が強く反発している。

 本来、ここで国連が果たすべき役割は国際社会の懸念を解消するよう中国に働きかけることだ。

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