大河原邦男展(下)

安彦良和が語る「ガンダム THE ORIGIN」裏話 「初めから大河原ありきではなかった」

 それで、当時、メカデザインをやっていたのはほかに「メカマン」(中村光毅さんと大河原さんが設立したデザインスタジオ)しかない。それで大河原さんが参加することになりました。高千穂遙は今も僕の友達だし、「ぬえ」に対しては不義理をしたと思いますが、結果的にはそれで正解だったのだろうと思います。

 アニメーターとしては、シンプルなデザインに越したことはないんです。線の多い「ぬえ」のデザインに比べ、大河原さんのデザインには、シンプルなイメージがありました。大河原さんに落ち着いたときは、良かったと思いましたね。

「曲線主体で斬新だった」

 メカのデザインワークは、スポンサーとのやり取りが多く、消耗する部分なんです。僕は全てのデザインワークについて知っているわけではありません。

 当初、大河原さんは途中参加だったので、われわれのイメージが十分には伝わっていなかった。そこで僕が、後に「ガンキャノン」の前身に当たる1枚を描きました。「これは主役メカにはならない」ということで、(主役メカからは)却下になったのですが…(笑)。

 その後、「ガンダム」のデザインが上がってきまして、僕は一つ注文を付けたんです。そのデザインも公表されていますが、「口」が付いていたんですね。そこで、「(今回の企画に)口はいらないはずだ。むしろ、あっては困る」といって、マスクを付けたんです。それから、カラーリングもやりました。

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