国産ブドウ100%のみが「日本ワイン」 輸入濃縮果汁使用と差別化

 国産ワインの表示ルールを国税庁が見直し、早ければ10月中にも国産ブドウのみを原料とするワインが「日本ワイン」として販売されるようになる。これまでは業界の自主基準しかなく、濃縮果汁などの輸入原料で国内製造されるワインも「国産」と位置づけられてきた。新ルールは純国産の保護に加え、輸入原料との差別化を図り消費者に見分けやすくするのが狙い。ブドウ産地の表示基準も整備され、造り手と消費者の距離感が近くなりそうだ。(寺田理恵)

4分の3が輸入原料

 ワインの味はブドウの品種や産地の気候、土壌などに影響され、EUでは産地を表示するにはその産地のブドウを85%以上使用することが条件となっている。

 国内でも、ブドウ栽培から手掛けるワイナリー(ワイン醸造所)は増えている。しかし、まだ生産量は少なく、国税庁の調査によると、平成26年度に国内で造られたワイン9万5千キロリットル(アンケートに回答した176業者)のうち4分の3が輸入した濃縮果汁を原料としていた。

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