平日は朝5時に起床。主要新聞すべてに目を通し、6時半のNHKニュースをチェックする。7時ごろには宿舎を出て、数件の面会や会合をはしご。昼間の公務後、夜も2、3件の会合に顔を出す。予定は深夜11時くらいまでびっしりだ。官房長官、菅(すが)義偉(よしひで)が一日に会う人数はゆうに100人は超える。
市井の動きにも目配りを欠かさない。例えば、菅が「世の中のことを知るにはすごくいい」と何十年間も読んでいるのが読売新聞朝刊くらし家庭面で連載中の「人生案内」。金銭トラブル、恋愛相談、相続問題…。読者の悩みに複数の有識者が回答するコーナーで、菅はまず相談部分だけを見て回答を予想する。それから回答部分を読むと、だいたい中身は想像通りだという。官房長官という政権中枢にあって、菅は常に時代の空気にアンテナを張りめぐらせている。
安倍晋三内閣の番頭としての菅の能力は、他の政治家とはひと味違う経歴によって培われた。