元朝日新聞・植村隆氏インタビュー詳報

(1)「阿比留さんだからと逃げることはない」

植村 質問のところね。これ、阿比留さんの文章だと思うんですけど、「記事では(元慰安婦の)金(学順氏)は匿名となっていたが、親から売られたという事実への言及はなく、強制連行の被害者と読める書きぶりだった」というのが書かれていた。これについてちょっと最初に教えておいてほしいの。まあ今日の質問とも関連してくると思うんですが、やっぱりこれだけの部数の本にこういうふうに書かれているということでね。これ、一体どういうことですか。「親から売られたという事実への言及がなく」というのはどういう意味ですか。

阿比留 金さんが「母親に40円でキーセンに売られた」というふうに述べていることに関して、その時点で植村さんがですね、どの程度知っていたのか知らなかったのか分からない段階で、当然持つ疑問だと思うんですね。あと連行ということ、強制連行ということも…。

植村 ちょっと待って。要するにキーセンに売られたことが問題なんですか。

阿比留 私は重要なことだと思っているんです。それは後での質問…。

植村 もちろん出てくるんだけど。それもまあ、今ねえ、これテーマ設定ということで。キーセンに売られたということと慰安婦になったことがどういうふうに関わっていると…。

阿比留 慰安婦とは限りません。例えば売春婦という場合もありますけども、いわゆる軍関係じゃなくてですね。すでにキーセンに40円で売られた段階で、そういうふうになる可能性がですね、当時の朝鮮、日本でも似たようなものだったといいますが、あったわけですから。そういったことを個人の来歴の中ですね、どういう育ち方をしたかということについて重要だと私は考えました。

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