高論卓説

ビール類の酒税一本化は「弱い者イジメ」だ! 企業努力を踏みにじり、技術開発力を阻害するのか? 

ビール類の酒税一本化で、企業の研究開発意欲が削がれる懸念が指摘されている
ビール類の酒税一本化で、企業の研究開発意欲が削がれる懸念が指摘されている

 来年度のビール類の酒税改正に向け、水面下で動きが急だ。現在、ビール、発泡酒、第3のビールと3つある酒税体系を、2020年から22年をめどに1缶(350ミリリットル)当たり55円程度に一本化していこうと財務省はもくろんでいる。現在、1缶当たりの酒税は、ビール77円、発泡酒47円、第3のビール28円。

 一本化は段階的に進められるが、ビールの税率は下がり、発泡酒と第3のビールは上がっていく。早ければ、来年度にも06年以来のビール類の酒税改正は実行される。財務省にとっては、1994年にサントリーが発泡酒を商品化して以来、一本化は悲願でもある。

「弱い者イジメ」のダブルパンチ

 一方で、地方税である軽自動車税は、すでに今年4月に50%も増税された。これに続き、安価な第3のビールが増税されていくとなれば、庶民にとっては生活は厳しくなる。

 「弱い者イジメ」(鈴木修スズキ会長)のダブルパンチだ。ただし、内閣支持率は急降下中なだけに、与党税調がビール類の酒税改正に踏み切れるかどうか、年末まで予断を許さない面もある。

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